ホーム > インタビュー&レポート > 中 孝介インタビュー 昭和の名曲からボカロの神曲までをカバー “もっと日本。”プロジェクトに込めた思いを語る

中 孝介インタビュー
昭和の名曲からボカロの神曲までをカバー
“もっと日本。”プロジェクトに込めた思いを語る

奄美大島出身、島唄で培われた独特のコブシをきかせた歌声が魅力のシンガー。夏にリリースしたカバーアルバム「ベストカバーズ~もっと日本。~」では、モーニング娘。の名曲「雨の降らない星では愛せないだろう?」、井上陽水の「少年時代」、中島みゆきの「糸」など、昭和から現代に続く名曲の数々から、ボカロの神曲までを収録。中の独特な声の響きにより、とても優しいカバーアルバムとなっている。そんなアルバムのこと、続くツアーのこと。そして、最近立ち上げたプロジェクトである“もっと日本。”について語ってもらった。

――まずは自己紹介からお願いします。
「鹿児島の奄美大島で生まれ、今もそこに住んでいます。小さい頃から音楽が好きで、最初は歌ではなく姉の影響でピアノをずっとやっていました。小学生の頃は吹奏楽をやってましたし、歌を歌うより楽器を演奏するのが好きだったので、その頃は自分が歌うなんて思ってませんでしね。歌を歌うようになったのは、高校1年生のときに奄美の民謡に出会ってからです。それまでももちろん島唄というのは知ってましたけど、全然無縁だったんです。若い人たちは、民謡に対して古臭いってイメージがあると思うんですけど、僕もその当時は全く同じイメージでした。初めて聴いた島唄が、たまたま観にいったコンサートで歌ってた元ちとせさん。そのときに、すごくノスタルジックなものを感じて、小さい頃に遊んだ山や海、公園だったりっていう風景が懐かしく思い出されたんですよね。そこからなんで地元にこんなすごい音楽があるのに聴いてこなかったんだろうと思ったんですよね。自分と年が変わらない人が、そういう音楽を継承している。その姿がすごく格好いいなと思ったんです。それからレコード店でいろんな歌い手さんの歌をひたすら聴いて。ピアノを始めたときも、譜面が読めなかったから姉が弾いてるのを耳コピしていった感じだったんですけど、島唄に関してもそうで、耳で聴いて、どうやったらこういう響きになるんだろうっていうのを自分なりに観察して、今の形になっていったんです。それまで同世代の人とばかり触れ合ってたんですけど、島唄を始めることで自分とはかけ離れた世代の人とかにも出会うようになって。今歌ってるのは島唄ではないですけど、島唄をやってなかったら、今の僕はないだろうと思います」

――今回のカバーアルバムは、日本の世代世代の名曲からボーカロイドの楽曲まで幅広いですけど、どういう基準で選曲していったんですか?
「ファンの方からのリクエストも募ったりしたので、今回はじめて出会った曲もあるんです。僕の母親がすごく歌謡曲好きなので、昭和の名曲からも。そういう古き良き時代の曲って、何年たっても古さを感じさせない力を持ってるから、そこから日本の歌の素晴らしさを知ってもらえたらなと思って選びました。ボーカロイドは、これも本当に新しい日本の文化だなと思って。それまであまり聴いてこなかったんですけど、カバーすることになって聴いてみると、すごい綺麗な言葉だったり情景が浮かんでくる曲が多いんですよね。しかもそれを作ってるのが、僕より若い世代の人たちだったりする。カバーすることで、ボーカロイドのこともいろんな世代の人に知ってもらえたらなと思っています」

――アルバムのタイトル、そして今回のツアータイトルにも入っていますが、“もっと日本。”という言葉には、どういう思いがこもっているのでしょうか?
「僕は奄美大島出身なんですけど、地元に住んでるといつでもいけるやって思っていかなかったりするところってあるんですよね。それって、日本各地でもみんなそういう経験があると思うんですけど、自分の住んでるところって知ってるようで知らないじゃないですか。そういう日本の身近にある景色だったり、日本人ならではの、最近で言えばおもてなしの心とか、侘び寂びとか、奥ゆかしさとか。そういう精神って日本にしかないものだと思うんですよね。改めてそういう部分に気づいていかなきゃと思ってます。もっと言えば、奄美大島が戦後アメリカから復帰して50周年なんです。沖縄のことは知られてるけど、奄美のことを知ってる人は少ないんですね。復帰するときの大変だった時代を生き抜いてきた先輩たちがいて、今の奄美大島があるんだと思う。僕自身も奄美の島唄を継承するひとりの歌い手として、自分の活動を通して奄美のことを伝えていきたいと思って立ち上げたプロジェクトです」

――実際歌ってみて、世代を超えて存在する日本の歌の良さとはどこだと感じられましたか?
「季節感を感じられるところですかね。日本の四季は色鮮やか。海外にも紅葉はありますけど、黄色や茶色ががかった紅葉なんです。紅っていうのは海外にはなくて、そこに海外の人は感動する。日本人にとっては当たり前になりすぎてるかもしれないですけど。そういう鮮やかな葉がひらひら落ちていくところに切なさを感じたり、春になると桜が咲いて、新しい生活への期待と不安を感じる。季節の変わり目にいろんなことを感じて、その感情が言葉になって唄になると思うんです」

――すでにツアーはスタートしていますが、手ごたえはいかがですか?
「昔から幅広い世代の人がライブに来てくれてるんですけど、改めて日本の曲の素晴らしさを感じさせてもらいましたと、多くの方に言っていただいてます。名古屋公演に関しては、編成がそれまでと違って、さらに弦楽器も増えます。チェロは全箇所ですけど、バイオリン2本とヴィオラも。弦楽四重奏プラス、ピアノとギターという編成です。これまでとアレンジも変えて、曲も増やしての公演になる予定です」

――ではその名古屋公演へ向けての意気込みを聞かせてください。
「いろんな世代の方たちが辿ってきた時代を思い出して、懐かしく思ってもらえるような空間にできたらいいなと思います。ぜひ会いに来てください」




(12月10日更新)


Check

Release

album「ベストカバーズ~もっと日本。~」

3059円
アリオラジャパン
BVCL-521

LIVE

中孝介 全国コンサートツアー2013『もっと日本。』

12月21日(土) 17:00
三井住友海上しらかわホール
全席指定-5500円
中京テレビ事業[TEL]052(957)3333

Pコード:210-157

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