ホーム > インタビュー&レポート > 真空ホロウ インタビュー 「共感でもムカつくでもなんでもいい。  まずは引っかかってくれれば」

真空ホロウ インタビュー
「共感でもムカつくでもなんでもいい。
 まずは引っかかってくれれば」

「僕から音楽を取ってみようと考えたら何も残らなくて、それで真空なんです。ホロウにも虚無みたいな意味があって。何もないところからひとつずつ曲を作っていきたいという気持ちです」。バンド名の由来をそう語ってくれた松本明人率いる、茨城出身の3人組ロックバンド、真空ホロウ。バンド結成から初のシングル『虹』、そして名古屋でのライブについての印象などを聞いた。

――バンドの結成から教えてください。
松本明人(Vo/G)「2006年12月31日に真空ホロウとしてスタートさせたんです。初めてバンド組んで始めたのがその日で、たまたま誰でも出ていいよっていうライブに出ました。僕がずっと弾き語りでライブハウスに出てて、それを見ててくれた人が誘ってくれて始めたんですけど、それから約2年経ってベースが抜けてしまって。そこに偶然通りかかったのが(村田)智史さん。共通の友人が偶然いて“ベースやっちゃえばいいじゃん”って言ってくれて」
村田智史(Ba)「最初は3カ月だけしかやらないから新しい人探してねって言って始めたんですけど、結局今も続けてます(笑)。当時23歳だったんですけど、20歳までバンドやった後、3年間ちゃらんぽらんに生きてたんです。車高の低いペタペタの車に乗るような、ザッツ茨城な感じで、ひどかったんです(笑)。でも大きい音出したいなと思って、少しだけやれれば満足するだろうと思って引き受けたら、それが今も続いてる感じですよ」
松本「それから2年後にドラムが抜けることになって、智史さんが茨城の若い子でドラムの上手い子を引っかけてくるからちょっと待っててねって言った後、彼(大貫朋也)を連れてきて。ハンバーグ屋さんを舞台に口説きが始まりましたね(笑)」
大貫朋也(Dr)「ちょうど自分もやってたバンドがちょっと違うなと思い始めた時で、タイミングよく話をもらったのでとりあえずスタジオ入ってみるかって。入ったらすごいしっくりきて加入しました」


――3人とも明らかに違うタイプの人間という感じがします(笑)。大丈夫だったんですか?
松本「知人や友人というものがほぼ皆無でして、僕は。だから他者と触れ合うってことに興味津々で、とても喜ばしいことだったんです。それにキャラクターやジャンルっていうものに対する苦手意識も特になく。逆に僕の中にないものがすごく羨ましくて、ないものねだりじゃないけど。今の3人はとてもよく絡み合ってると思います」


――ちなみに松本さんが弾き語りを始めたキッカケは何ですか?
松本「覚えてるのは3歳ぐらいかな。小さい頃からテレコ(テープレコーダー)みたいなものを持ち歩いて、歌って、録って、聞いてってことをやってたんですよ。思い返してみれば、曲を作るってことに関しては、そこから今まで変わってなくて。それで最初に触れたのがギターで、たまたま今も続いてるのがギター。全然できないのもギター(笑)。全然できないから、できることしかできないんだけど、もっとできるはずだからできるようになりたいなって続けてます。ピアノとかもやったんですけど、ギターの方が楽しかったんですね」


――録る時はメロディだけでしたか?
松本「いや、歌詞ありきです。歌詞にメロディが付いてるという感じです。例えば、小さい頃は“山を登ってるおじいちゃんの鍬が汚れてる♪”とか“ベルトが茶色♪”とか(笑)。そういうことを遊びとしてやってました。その時その時の旬なことや思ったことを書いているから、言葉が変わるのは当然というか。シングル『虹』の歌詞も書いてた時の心境で、出来上がるまでにどんどん変わっていったし、その都度、その時の思いやもっと伝わりやすいようにと思って完成させました」


――バンドを始めた時にやりたいバンドのイメージはありました?
松本「なかったですね。バンドのイメージというより、僕がやりたいものがまずあって、それを一度僕の中で作るんですね。それは“松本明人くん”の曲なんです。例えばシングル『虹』で言えば、“松本明人くん”の曲の時は『虹』ってタイトルも付いてなくて、その時にたまたまできた一曲でしかない。それを“真空ホロウさん”っていうバンドに持っていって、どういうアレンジがなされるか。それが楽しいし、それが僕の感覚ですね」


――村田さんや大貫さんは、松本さんのことを最初はどう思いました?
村田「彼は学習能力が高いというか、何でも吸収できる超上質のスポンジというか。いろんなものを吸収しすぎたために、とっちらかってるんです。だからそれをまずいい意味で矯正させることを考えました。あとは時代に乗っかるっていう要素をなるべく排除したかったんですよね。それだけ吸収できちゃうってことは、時代のものに対しても敏感だし、先取りもできるんだろうけど、今だけの旬な男になっちゃうと芯のある男にはなりづらいなと感じて。個人的にですけどね。なので、10年後も20年後もずっと曲が残るような音楽をしていった方がいいんじゃないのって話をしました。そうしたら話に乗っかってくれましたね」
大貫「自分は理論的に考えちゃうんですけど、松本くんは独特な考えを持ってて。自分にないものをたくさん持ってるから、すごい楽しいと思いましたね」

――シングル『虹』は、少年少女の抱く不安感や劣等感が歌詞のテーマになっていますね。
松本「今までの自分たちの作品を振り返ってみたんです。そうしたらやっぱり一番根底にあるのは少年の頃のトラウマだったりとかで。当時は大人になれば消えてしまうような小さな悩みかもしれないと思いつつも傷ついてたんでしょうね。今もその時のことを思い出したら心が苛立つっていうのがあって、その頃にとらわれているんだなと思って。じゃあそこをまずは突き詰めて、その頃の僕を昇華させたいなと。『虹』も2曲目の『バラフライスクールエフェクト』もそう。やっと笑い話のように歌えるようになってきたかな」


――まさに歌詞を書くことで自分を見つめる作業ですね。
松本「僕のような思いをしてる人が大半だと思ってて。自分だけのために音楽をやっているだけではないので、何か伝わることを僕が歌えないかと思った時に、自然とそこになっていったんですね。昔に比べたらどんどん希望が見えてきてるんだけど、根底にあるものは変わらず、苦しい自分へのある種の応援歌でもあるんです。だから、僕らのライブが楽しいと思ってくれてもいいし、ベースが好き、ギターが好き、ドラムが好き、僕の歌が好きでもいいし、歌詞に共感するとかムカつくとかでもいい。取っ掛かりは何でもいいんです。まずは引っかかってくれることを僕は求めてますね」


――5月に名古屋でのイベントが決まってますが、名古屋のライブの印象は?
松本「実は昨日、名古屋でライブをして、個人的にガラッと印象が変わったんです。僕、自分がお客さんとしてライブを見に行って、お客さんがどういう楽しみ方をしているのかっていうのを楽しむのが好きなんですよ。それが昨日はステージでもできたんですよね。みんなが楽しんでるってのを感じられて楽しかったですね。例えば僕が気持ちよく歌ってると、ある人は気持ちよく歌ってくれてたし、違う人はこっちが恥ずかしくなっちゃうくらい見つめてくれてたし。今までは伝えようと必死だったんですよね。昨日は伝えることもできつつ、感じることもできたので嬉しかったです」
村田「次回はランクヘッド先輩のお招きなんで楽しみにしています」


――最後に今年はどんな年にしたい?
松本「いい意味でキッカケになる年にしたいです」
村田「俺もどこかしらあると思うんですけど、メンバー3人とも結構いい子ちゃんで、周りの人が良かれと思って言ってくれるアドバイスや期待に応えたいと思う方なんですよ。でもそれってよく考えたら、ただ良いように見られたいだけみたいな感じにも思えてきて、ブレることなんじゃないかとか、不安にもなって。それで、それならもうちょっと自分らが絶対的な自信を持った行動や音楽をやりたいと思ったんです。そういう意味でシングル『虹』はそんな思いに近いものができたので、次のリリースにも期待していただいていいんじゃないかなと思ってます。まだまだ完成形も見えてないし、さわりぐらいしかできてないけど、自分らも期待できるアルバムを作る予定です。3人の色が強くなってるってのはあるかもしれないですね」




(4月22日更新)


Check

Release


single「虹」

1028円
Epic
ESCL-4150

LIVE

10th ANNIVERSARY
~road to 一世一代のみかん祭~
vol.5 VSシリーズ
「真空ホロウと
どえりゃ~てんむす祭」

5月5日(月・祝) 18:00
名古屋クラブクアトロ
全立見-3500円
(整理番号付・別途ドリンク代必要)
[共演]LUNKHEAD
ジェイルハウス[TEL]052(936)6041

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