ホーム > インタビュー&レポート > Keishi Tanaka インタビュー 「作品が“歌詞”“曲”“情景”の三角形で成り立つように」

Keishi Tanaka インタビュー
「作品が“歌詞”“曲”“情景”の三角形で成り立つように」 (1/2)

Riddim Saunter解散後、シンガーソングライターとして活躍しているKeishi Tanakaが2ndアルバム「Alley」を発売した。FM802 "ヘビーローテーション"に選出された「Floatin' Groove」やCD付き絵本としてリリースされた「秘密の森」、ハンカチ付きシングルの「Crybaby's Girl」など、彼の魅力の1つである多彩な楽曲が揃っている。またストリングスやホーンセクションが全面に押しだされたアレンジによって、普遍性のある楽曲がより多くの人へ届く形で収録されている。
そして6月20日(土)に名古屋RAD HALにてストリングスやホーンセクションを加えた10人編成のスペシャルライブを開催。これまでバンドセット、2人編成のアコースティックセット、弾き語りと、表現形態を問わないスタイルでライブを行ってきたKeishi Tanakaの集大成のライブとなるだろう。今回は2ndアルバム「Alley」についてはもちろんのこと、Riddim Saunter解散後からこれまでの活動についても振り返ってもらった。

「それはただの言い訳だから、活動を限定したくないんです」

――Keishiさんは、Riddim Saunter解散後にソロとして活動します。デビューから今回の2ndアルバム「Alley」の発売までを振り返ってみてどうですか?
「僕の中ではRiddim Saunterとソロの活動は繋がっていて。音楽を続けていくにあたって、ソロという選択肢があった。だから音楽をする気持ちはRiddim Saunterの時もソロも同じですね。ソロデビュー作品が弾き語りの曲が収録されたソングブック「夜の終わり」だったからか、初期は弾き語りでライブに誘われることが多かったんですね。ただ、弾き語りのミュージシャンになろうと思ったわけではないので、1stアルバム「Fill」はバンドサウンドの形になっています」

――リディムの頃からKeishiさんは作曲されていたんですか?
「Riddim Saunterに関しては曲の作り方が独特で、すべての曲に対してデモが存在しないんですよ。リーダのタイチ(KONCOS)のDJ的な感覚とか、それをメンバーでスタジオで肉づけしていく感じで。皆で作曲をしているという感覚だったので、ソロとは全く違いますね」

――ソロになってからは表現に対する自覚が強くなりましたか?
「いや、それもバンドの時と同じだと思います。ただバンドの表現と、ソロでの表現は別モノなので自分をどう表現していくかはすごく考えますね。それは年齢とか色んな要因もあると思っていて。英語でダンスミュージックを歌っていた20代が基板としてあって今にいたるんですけど、活動を限定したくないんです。それは作品もライブも。“こういう所ではできません”というのはあんまり意味がないと思っていて。それはただの言い訳であって、20代の時は正直それがあったんです」

――え? そうなんですか? リディムの活動はとても自由な発想から生まれていると感じていました。
「やっぱりちょっとツンツンしていたというか(笑)」

――なるほど(笑)。
「こんな場所でやったらダサイとか。そうした10代20代特有の感覚があったんですけど、それって今思うとビビってただけなんです。そこでカッコイイことをやればいいわけで、納得させられるだけのスキルがなかったなと。でも、それは後悔じゃないんです。それがあったから今できている部分もあるし。そういう意味では、1回区切ってソロをやっているというよりは、やっぱり続いているんです」

「2ndアルバムは1stの続編でもある」

――では、ニューアルバムのこともお聞きしたいです。1stアルバムは弾き語りの曲をバンドサウンドにして制作されたのに対して、今作はデモの段階からバンドサウンドで作られたそうですね。そのプロセスの違いはどういうところから生まれたんですか?
「今回は制作期間をはっきりと設けていなくて。バンドセットでライブをすることが増えて、その感覚があったからバンドサウンドで曲を作っていこうと。1stをリリースしたときは、まだバンドセットをしていなかったのでプロセスに関していえばそれだけの違いですね」

――そのプロセスが違っても、アウトプットされる音楽は1stと地続きになっている印象があります。
「ソロだからです。別にバンドをはじめた訳じゃないので。だけどプロセスが違うことによって、知らず知らずのうちに音の感じ方が変わっているぐらいがいいかなと」

――「Alley」を聴いた時にサウンド、歌詞、アートワークなどを含めたKeishi Tanakaというアーティストが確立されたと思いました。
「今作は1stの続編でもあって。2ndまではやりたいビジョンがあったので、それが形になったと思います。さっきも言った通り1stを出した後からバンドセットでのライブが多くなって。欲張りな感覚なんですけど、弾き語りもやりたいし、バンドセットもやりたい。その間にある2人、3人のアコースティックセットもやりたいと思って動いているので、今はその気持ちのバランスが丁度良いというか。バンドセットを動かしていることによって、良い精神状態でこのアルバムに向かえれたなと」

「意外に気にしているのは僕だけという気もして(笑)」

――Keishiさんは、自分のやりたいことに対してとことん挑戦しますよね。
「そういう性分なんでしょうね(笑)。今まではバンドセットのサポートミュージシャンも固定してやっていたんですけど、スケジュールに関して難しくなることが多くなってソロとしてはそういう状況は本末転倒だなと。すごく贅沢な話なんですけど、今は各パートに複数のサポートミュージシャンがいて活動してまいす。これアルバムに関してもそうで、誤解を恐れずにいうと曲ごとにミュージシャを選ばせてもらっています。例えば、この曲に合うドラムはあの人だなとか、そういうのを楽しめるのはソロの強みかなと思いましたね。ただ一歩間違うとわがままなことでもあるので、そのバランス感覚はうまくやっていきたいなと思います」

――アルバムのゲストミュージシャンも曲ごとに流動的に作っていったのは、1曲1曲の良さを最大限引きだすことにもつながりますね。
「最初はソロでもやっちゃ駄目だと思ってたんです。だから固定していたんですけど、意外に気にしているのは僕だけという気もして(笑)。あとはサポートしてくれる方との関係性がしっかりしていればあまり問題じゃないですからね」

――シングルでも発表した「秘密の森」はハーブを入れるなど新しい楽器を取り入れていましたが、今作でもそうした要素はありますか?
「楽器でいうとホーンとストリングスが多くなりましたね。特にストリングスは、今回はイントロの主旋律を弾いたりしているので使っている要素や役目が変わりました」

――なぜ、今回はストリングスなどが全面に押し出される形になったんですか?
「ライブですべて再現するというよりかは、1つの良い作品を作ろうとする意識が強かったからです。曲を作っていく中で欲しい音を入れていったという」

――「Alley」を作るにあたって、他のアーティストの作品を聴いたりしましたか?
「意識的に聴くことはまずないですね。思い出すぐらいのレベルならありますけど。しいて言うなら7曲目の『偶然を待っているだなんて』は、キングス・オブ・コンビニエンスのアーランド・オイエがやっていたザ・ホワイテスト・ボーイ・アライブのビート感やBPMが合いそうだなとぼんやり考えていましたね」

 




(6月18日更新)


Check

Release


album「Alley」

初回版(CD+DVD) 3241円(税別)
Niw! Records
NIW106

通常盤 2300円(税別)
Niw! Records
NIW107

LIVE

「Alley Release Tour
-Full Band Set-」

▼6月20日(土)18:00
RAD HALL
前売3500円
ジェイルハウス[TEL]052(936)6041

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