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「今はただ純粋に、音楽を、ロックをすることに立ててる」
ソロ活動20周年を迎えたJインタビュー

1992年、LUNA SEAのベーシストとしてメジャーデビュー。1992年よりソロ活動を始め、今年で20周年を迎えるJ。これまで10枚のオリジナルアルバムをリリースするなど、ベーシストとして間違いなく日本を代表する人物だ。そんな彼が、この20年間の軌跡をまとめたベストアルバム「W.U.M.F.」をリリースした。ユーザーからのリクエスト投票上位曲を中心に、スピード感あふれるロックナンバーを集めたDISC1と、ミディアム&バラード系ナンバーを集めたDISC2の2枚組となる。
Jの両極を感じられるベスト盤を引っ提げ、全国ツアーも開催される。
ベストアルバムの話から、この20年間変わることのない思い、そして自身の目指す姿などを語ってくれた。

――アルバムのはじまりが「BURN OUT」「PYROMANIA」という、ソロとしての1stシングル、アルバムの曲ですよね。20周年というタイミングで、この頃の曲を聴くとより感慨深かったです。これまでもベストアルバムはリリースされていますが、これまで以上の集大成というような思いはあったのでしょうか?
「そうですね。これまで20年間、振り返ることもなく突っ走ってきたので、こういう節目があることでいろいろなことを思い返せるし、それと同時に気を引き締められる機会になってると思います。ただベストアルバムって、過去の作品を集めたものになりますよね。自分自身まだ渦中なので、今の自分にものすごい近い場所にあるベストアルバムを作りたいとは思ってたんです。それで今回はファンのみんなにもリクエストを募ったりして、本当に今の俺にすごい近いアルバムになったと思います」
 
――今回のリクエストはアルバムごとでするなど、カテゴリーを分けて募集していたんですよね。
「過去のベストアルバムとは全然違うものにしたいと思っていたところ、リクエストはどうか、というアイデアがスタッフから出たんですよ。最初は、偏ってしまうのでは、など自分自身が思い描いてるものになるか疑問だったんです。ただよく考えると、俺自身も20年の間にいろんなことがありましたが、LUNA SEAの頃から観てくれてる子や、生でLUNA SEAを観たことがないって子も、俺のライブで一緒に盛り上がってくれるみんなの意見が、アルバムを作ってくれる熱に変わるとしたら、それほど素晴らしいことはないだろうと。それが俺自身の20年なんじゃないかと思ったんですね。それで今回リクエストを募る形になったんです」
 
――実際リクエストを募ってみて、偏りはありましたか?
「全くなかったですね。絶対俺がひとりで選曲した方が偏ってたと思います。意外に自分のことは自分が1番わかってなくて、みんなの方が俺のことをよく知ってるんだなっていう結果でした」
 
――今の自分に近いアルバム、というところでいうと、曲によってはボーカルの録り直しや、再レコーディングをしていますよね。
「みんなからのリクエスト結果があがってきて、曲をピックアップしていく段階で、今の俺ならこうするのになって曲が何曲かあったんで、それを歌い直しています。ただそれはやり直しというか、過去を消しゴムで消す作業ではなかったんですよね。まだ描ききれなかった絵を描くというか、実はこういうことだったんだと、色を濃くしたり線を強くしていくような作業に近かったんです。歌い直してはいるんですけど、当時の声も一緒に入ってるんですよ。俺がやりたかったことは、20年間を繋ぐ作業というか、まだ描ききれてない絵を完成に近づけるような作業でした。その絵が完成なのかどうかはまだわかんないですけどね」
 
――ボーカルの録り直しだけでなく、「ACROSS THE NIGHT」は再レコーディングを行っています。こちらも1stアルバムに収録されている曲ですが、この曲を再レコーディングした理由はあったのでしょうか?
「この曲は全てのリクエストの中でも得票数が1位だったんです。1stアルバムの、それもリード曲でないバラードが1位になるというのは、自分にとってものすごく嬉しくて。当時刻んだ思いや言葉やメロディが、未だにみんなの中で燃え続けてくれるということだと思うから。自分が曲を書くようになった頃から、風化しない曲を書きたいとずっと思ってたんです。それが叶うような曲になってるのかな、と思えて。だからこそ今のバンドメンバーと録り直してみたかったんです。もちろんオリジナルのバージョンも大好きなので、それを壊してしまうようなものには絶対したくはないと思って臨みました。俺自身、リスナー側にまわるとすごい保守的なんですよ。歌い直しとか再レコーディングをあまり必要としないタイプの人間なんですよね。分かります?」
 
――分かります!当時好きで聞いてた記憶があるから、それとのズレが生じちゃったりしますしね。
「だからこそいろんなことに慎重になった。でも音楽って全て結果なんですよね。レコーディングしてみて、もし結果が出なかったら止めたって言おうかなって(笑)。それぐらいの気持ちじゃないとトライも出来なかったんです。絶対良いものになるはずだ、できるはずだとは感じていて、結果的にすごい良いものができたんじゃないかと思います」
 
――「BURN OUT」や「PYROMANIA」もそうですけど、一般的にJさんはアッパーで激しい曲のイメージが強いと思うので、バラード曲が1位ということに大きな意味がありますね。
「俺のパブリックイメージとして、元気で弾けるようなテンションの曲というのは大きいと思うんです。でも俺が思うロックミュージックは、ハードな曲もヘヴィーな曲もあるけど、それだけではなく、優しい曲もあれば楽しい曲、悲しい曲もあって当然なんです。そういった面を今回のベストアルバムでクローズアップして、ミディアム&バラード系のナンバーを収録したDISC2としてまとめています。これを機に俺の新しい面としていろんな人に知ってもらえたら素晴らしいなと思います」
 
――新曲として「one reason」も収録されています。このベストアルバムを聞いて思うのは、どの曲にも突き進む意思を感じるということです。それはこの曲でも同じく感じますが、20年たった今でもそういう思いを抱き続けているということを改めて感じる曲です。
「俺自身、ロックミュージックにもらったものはそういうエネルギーだったと思うんです。そいつに打ち抜かれて今がある。それを生きてるなかで感じているからこそ、俺の曲に触れてくれたみんなにも、前に進む力になったり、何かのきっかけになるようなエネルギーを与えられたらいいなと思ってるのは確かです」
 
――20年間を改めて振り返ってみると、その間にLUNA SEAが終幕、復活などもあり、プライベートも変わることもあったかと思います。だけど音楽に対するスタンスは変わらないんですね。
「変わらないですね。当然、20代、30代、今と、いろんなものを見て、いろんなことを感じてきたわけですから、変化は当然あると思います。だけど自分の好きなものはそんなに変わらなくて。ただ経験すればするほど、より削ぎ落としたものというか、無駄のないものを求めている自分がいるんですよね。その時その時に自分を熱くしてくれる、格好いいものを未だに追いかけてる気はします」
 
――今、LUNA SEAとソロ活動の両方を並行して行ってるかと思いますが、改めてLUNA SEAとソロではスタンスに違いはあるのでしょうか?
「ソロを始めた当時は、バンドを取り巻く状況すべてが混沌としてたし、世の中もヒステリックなテンションだったんですよね。そもそもLUNA SEAというバンドは、個性のぶつかり合いの中からいろんな曲が生まれてきた。そういった中で、バンドをさらに高みに上げるために、ソロ活動の時間が必要だというところから始めたんです。当然バンドに対しての反動もあったので、バンドとソロでのコントラストがついてたと思います。ただ今は自分自身がただ純粋に、音楽を、ロックをすることに立ててるんです。ソロとバンドは何が違うかってよく聞かれるんですけど、何も違わないんですよ。違ったら嘘になっちゃいますよね。ただ曲を作っていくうえでイメージするものは違いますよ。RYUICHIが歌う曲と俺が歌う曲では、温度も角度も違うから。でも隔ててるわけではないんです。そんな風に今は自然と立ててると思います」
 
――20周年を迎え、今後目指したいものはありますか?
「より核心に近づいていきたい。自分がプレイしてる楽器はベースですけど、とても難しくて、同じ音を弾いても、それが格好良く弾ける人と弾けない人がいると思うんです。1音だけで世界を変えてしまう人もいる。もっと言うと、弾かなくても出てきた瞬間に会場の空気を変えるアーティストもいる。俺の理想ってそれなんです。楽器を下げた瞬間に、会場の温度が1度も2度もあがるような、そんな人間になりたい。何をしたらそうなれるかっていうのは、フォーマットがあるわけじゃないのでわからないですけどね(笑)。だからこそ自分自身の感覚をいつもオープンにしてたい。いつも楽器のように鳴ってる人間になりたいと思います」
 
――今でも十分、登場しただけで会場の空気を変えてると思いますよ! 今後ですが、ベストアルバムを引っ提げたツアーで名古屋にも登場しますよね。
「最高のベストアルバムが出来たので、ぜひ聞いてほしいです。ツアーでは、ぜひ一緒になって盛り上がって、未来へ向けて熱を放つ、そんな瞬間をみんなで感じられたらいいなと思っています。名古屋はいつも声を枯らしてしまうほどとんでもない熱いライブが多いので、これからももっと熱いライブをやっていきたいと思ってるので、一緒に突っ走っていきましょう」



インタビュー・文:小坂井友美(ぴあ)



(4月14日更新)


Check

Release


J 20th Anniversary
BEST ALBUM <1997-2017>
「 W.U.M.F.」

[2CD]
3800円(税別)
ONECIRCLE
CTCD-20062~3

LIVE data

J 20th Anniversary
Live Tour 2017 W.U.M.F.

6月11日(日) 17:00
名古屋クラブクアトロ
オールスタンディング-5300円(整理番号付・別途ドリンク代必要)
サンデーフォークプロモーション[TEL]052-320-9100
Pコード:317-913

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