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雨のパレード インタビュー
「自分たちのポップスを次の時代の象徴に」

 今、ロックシーンでバンド独自の美学と哲学を貫いて、着実に作品の売り上げ枚数や集客を増やしているバンドがいる。福永浩平(Vo.)、山崎康介(Gt.)、是永亮祐(Ba.)、大澤実音穂(Dr.)の4人からなる雨のパレードだ。アーティスト写真、ライブでの演出や照明ひとつとっても、そこからは彼らの美学を感じられる。それは音楽だけでなく、雨のパレードのすべての活動が彼らの表現といえるかもしれない。
 彼らがメジャー・セカンドアルバムとなる「Change your pops」をリリースした。今作にはNHKアニメ「ほのぼのログ」のテーマ音楽「morning」、「Gap 1969 RECORDS SUMMER 2016」のキャンペーンソング「1969」などのタイアップ楽曲も収録されている。またバンドでありながらバンドサウンドにこだわらないスタイルは、エレクトロミュージック、R&B、ポップス、アンビエント、ブラックミュージックなど、様々な音楽性を独自に咀嚼した楽曲を作りだし、リスナーの心を掴んで離さない。今回は福永と山崎にアルバム製作の話や作品に込められた思いを語ってもらった。秋には全国7都市をまわるワンマンツアーも控えているので、ぜひチェックしてほしい。

「時代を引っ繰り返してやりたいという気持ちが強い

――雨のパレードはメジャーデビューをしてから1年以上が経ちますが、ロックシーンに「雨のパレード」が浸透していっていると感じています。その辺りをご本人はどう捉えていますか?

福永「そうですね、メジャーデビューをしてからこれまで以上に自分たちの音楽がたくさんの人に聴いてもらえている実感があります。着実に前進していっているというか。僕たちのような音楽性は一見、日本では広まりにくそうな印象があるかもしれないんですけど、僕は全然そんな事はないと思っていて。かなり怒涛の1年でしたけど、そういった意味でも手応えを感じています」

――確かに雨のパレードの音楽性は海外では主流かもしれませんが、日本ではそうではない可能性もありますよね。ただ、私もそうした音楽がしっかりと広がっていってる今の状況をとても嬉しく思っています。

福永「自分たちの好きな音楽でメインストリームに挑みたいんですよね。時代を引っ繰り返してやりたいという気持ちが強いので、ライブやインタビューなどでもそうした意思を伝えるようにしています」

「今の手法だと直感的にアイディアをだすことができる

――メジャー・セカンドフルアルバム「Change your pops」をリリースしました。今作をリリースしたからこそ、前作のアルバム「New generation」はバンドにとってどのようなアルバムでしたか?

福永「『New generation』を作った頃から、いわゆるバンドの音にあまりこだわらなくなったんです。これは良い意味なんですけどね。バンドの音だけにこだわっていても自分たちが鳴らしたい音を満足に表現できなくなっていたので、自分たちの音楽に対するスタンスがしっかり形成された頃でした。例えばサンプリングパッドを使ってみたり、シンセサイザーを入れてみたりして。今回の『Change your pops』はさらに自分たちのスタイルを追求できた作品になったと思っています。ファーストアルバムの時にできなかった事や“もっとこうしたかった”という事をしっかりアルバムとして作ることができたなと」

――“バンドサウンドにこだわらない”というのは雨のパレードの強みでもあると思うんですが、曲の作り方はかなりバンドらしいそうですね。

福永「そうですね。もともとの曲の原形は僕が持ってきて、サビのメロディーとコード進行からどう広げていくかという感じです。スタジオに入るだけの機材を持ち込んで、そこでメンバー全員でセッションしながら作っています。なので、そこで各メンバーのアイディアによって曲が広がっていくこともあるんですよね。そうした作り方をすると、それぞれの引きだしも増えていくと思うので」

――そうしたやり方で曲作りができるのは、福永さんが他のメンバーのことを信頼しているからできる方法ですよね。

福永「今の作り方が1番やりやすいですし、メンバー一人ひとりの意思も入ってきますからね。その場で僕がイメージを伝えたり注文をしたりしても、それに応えることができるメンバーなので」

山崎「今後ラップトップで作っていくやり方もチャレンジしていくかもしれないんですけど、今の手法だと直感的にアイディアをだすことができるんです。4人がスタジオに入って試行錯誤していると、それに対して4つのアイディアがあるという事でもあるので、すぐに解答がだせる時もあるんです。その方がより明確に曲のイメージを共有しやすいので、テンポ感的にも仕上がり的にも今の作り方が良い結果につながっていってると思います」

福永「それに新しいアプローチをしたいとなった時もすぐに共有できるので、色々試すことができるんです」

「これまで挑戦してきたことをさらにブラッシュアップすることができた

――山崎さんにとっては「Change your pops」はどのようなアルバムになりましたか?

山崎「今回の作品はバンドとしても個人としても新しい挑戦をどんどん入れていけた作品になりました。なので今の雨のパレードのモードが分かる、すごくカッコイイ作品に仕上がったなと思っています」

――例えば新しい挑戦というのはどういった所ですか?

山崎「ドラムマシーンで曲を作ってみたり、曲調にしてもこれまでになかったような楽曲があるので、そういった所ですね。先ほど福永が言ったように、これまで挑戦してきたことをさらにブラッシュアップして落とし込めました」

――では1枚目で突き詰めてきた部分を、もっと自分たちの理想に近づけたアルバムになったという事ですか。

福永「より近づけたかなと思いますね。スネアの変わりにクラップやスナップの音を使ってみたりだとか。そうした新しい取り組みは細かくあげるといっぱいありますね。すごく満足いく作品になっています」

「ポップスは時代ごとに更新されるもの

――この1年はとても過密なスケジュールだったと思うんですが、それをこなした上で「Change your pops」のようなとても雨のパレードらしいクリエイティブな作品が生まれてくるのは、さすがだと感じました。

福永「『New generation』はすごく良いアルバムだったんですけど、やっぱりあの頃の僕たちはできなかった事が多くて。じゃあ、それをどうやったら実現できるだろうと常に考えていましたね。その中で新しい機材を買ったことがとても上手く作用して、新しいアイディアが生まれたり、それを実現できるようになりました。1枚目を作り終わった瞬間にすぐ作りはじめていたので、機材を新しくしたのはこの作品を作る上では大きかったと思います」

――自分たちの音楽を常に更新していく姿勢というのは、タイトルに込められた思いにも通じるのではないでしょうか?

福永「ポップスは時代ごとに更新されるものだと思うので、自分たちのポップスを次の時代を象徴するものにしたいです。前作の「New generation」も含めて、タイトルは僕らの意思表明です。タイトルの意味を大袈裟に捉えられる時があるんですけど、これは自分たちが日頃から思っているマインドなのでとても自然につけています」

――自分たちのアーティストとしての美学と哲学を貫きながら、これから雨のパレードがどんな景色をみせてくれるのか本当に楽しみです。

福永「限界を自分たちで決めていてはそこまでだと思うので、メジャーでだしたアルバム・タイトルが実現するように僕らは良い曲を発表して、良いライブをしていくだけですね」


インタビュー・文:菊池嘉人




(6月 1日更新)


Check

Release


album「Change your pops」

2800円(税別)
SPEEDSTAR RECORDS
VICL-64717

LIVE

ワンマンライブ

9月13日(水) 19:00
エレクトリック・レディ・ランド
オールスタンディング-3500円(別途ドリンク代必要)
ジェイルハウス[TEL]052(936)6041

一般発売:7月30日(日) Pコード:330-810

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