ホーム > インタビュー&レポート > SKY-HI&呂布カルマ 「遊戯三昧」@Zeep Nagoya ライブレポート&特別対談

SKY-HI&呂布カルマ
「遊戯三昧」@Zeep Nagoya
ライブレポート&特別対談

SKY-HIが様々なゲストアーティストと、音を遊び尽くすことをテーマにした対バンツアー、遊戯三昧(ユゲザンマイ)が6月13日(日)に幕を開けた。東名阪を巡るこのツアーの対バン相手はそれぞれの土地に縁のあるアーティストだが、ツアー初日のZepp Nagoyaに登場したのは名古屋在住の呂布カルマ。同じヒップホップミュージシャンでありつつも、経歴もスタイルも全く異なる2人。二人によるスペシャル対談とライブレポートをお届け。 ※このライブレポートはネタバレを含みます。

SKY-HI & 呂布カルマ スペシャル対談

4tBeIntwcbbzBRq1623940596.jpg

ーーもともと交流はあったということですが、出会いのきっかけなどお聞かせください。

呂布「一番最初に東京にライブしに行った時に日高くんがMCバトルに出ていたの観て、池袋のアンダーグラウンドな場所だったんですけど。AAAのメンバーってその後で知って、「あ、あいつ…!」っていう感じでしたね(笑)。だからラッパーとしての方が先に知ってました」

SKY-HI「しっかりした挨拶というかお話させてもらったのは、KEN THE 390主催のライブイベント(超・ライブへの道 )の時ですね」

ーー実際に話してみての印象を教えてください。

呂布「いや、変わんないなと。AAAみたいなメジャーな活動してる人が周りにいなかったけど、話してみると、俺が知ってる人たちと感覚は一緒なんだと思いましたね」

SKY-HI「呂布さんはライブでの言葉のハードさとか棘の部分はあるんですけど、ステージの裏で話す時の印象と大きく違うっていうこともないですし、ステージ上でも下でも地続きなイメージがあります。それはすごいカッコいいなと思った点ですね」

ーー今回の対バンライブが実現した経緯を教えてください。

SKY-HI「最初、ツアーの仮タイトルを「異端邪説(イタンジャセツ)」にしてたんです。なんとなく、メインストリームにポジションがないところから始まったタイプのアーティストたちというテーマがあって。その、漢字四文字で「異端邪説」って浮かんだ時に、名古屋は呂布さんしかいないんじゃないかなと思い、ツイッターでDMを送りました」

呂布「名古屋なら誰を呼ぶかって時に、色んな人がいる中で誘われたのは光栄でした。あとは僕ら同士はともかく、お客さんはどう混ざり合うのか心配ですが(笑)、頑張ろうと思いましたね」

ーーコロナ禍を経て、ライブや音楽へのスタンスは変わりましたか?

呂布「コロナ禍になってからは一回一回のライブが貴重なので、感謝しながらやるようになりました。あとお客さんにとって、ライブに行くのも大きな決断だったりするんですよね。だから『行ってよかった、元気になれた』と思ってもらいたいし、それを言葉にして伝えるようになりました」

SKY-HI「ライブに来てくれること自体、咎められるようなことでもないし、一人ひとりの人生に対して感謝と責任を感じるっていうのは一個ありますよね」

ーー最後に、異色のツーマンですが、いつものライブと違う注目ポイントはありますか?

呂布「今月アルバムが出るんですけど、そのアルバムがオナニーの後にやってくる賢者タイムがテーマなんですよ。でも、多分日高くんのファン層は賢者タイムわかんないよなと思って、その曲外しました(笑)」

SKY-HI「(笑)。今日はでも、一緒にフリースタイルしていただけるっていうのはすごくありがたいですね。それこそ誰かとフリースタイルをするってコロナ前以来だから、すごい楽しみです」

====================================================

呂布カルマ LIVE REPORT

89Pq9oPwKMgPIyd1623941025.jpg

開演時刻の18時になり、いよいよライブが始まった。客電が落ち、静かなビートと共に舞台袖から歩いて登場した呂布カルマ。「オーライオーライ」でスタートを切り、歌の合間に「名古屋、この街でヒップホップやってます、よろしくお願いします」とMCをひょうひょうと挟む。「弱くてもいいなんて嘘だぞ。強く賢くなりましょう」。ステージを上手下手に歩きまわりながら、客席に語りかけるようにも、己に問いかけるようにも見えるスタイルで呂布のライブは進行していく。

呂布カルマ2.jpg

フロアに盛り上がりや一体感を求めることはないが、気づけばそこにいる誰もが彼のパフォーマンスに集中している。日々感じる不条理で心に澱が溜まっていく経験は誰しもあると思うが、彼のリリックはそれを溶かしていくような気がした。体裁を整えた言葉よりずっと身近に感じるのだ。「コロナがあって、みんな遊びに行くことにも葛藤があって。それをアーティストを好きな気持ちで乗り越えられるのは素晴らしいと思いました。乗り越えていきましょう、どんな時もヒップホップは味方してくれるから。“迷ったけど行ってよかった”、そう思ってもらえるよう頑張ります」。今日ここに来ることを決めた観客に、何度もこんな言葉を掛けていた。

o4e6ac97242d4a5e5688b5700fa952eee_61374082_210614_24.jpg

昨年ステイホーム期間中に製作したという「烏天狗」の“寝ても覚めてもどうせ夢の中”という表現は、街から人が消え、時間の感覚が曖昧になっていくようなあの日々が思い出された。最後に「夜行性の夢」を挑発的にプレイすると、「不要不急こそが大人の遊びだと思ってるんで。今度は日高くん抜きで遊びましょうね」と去る背中に痺れた。

====================================================

SKY-HI LIVE REPORT

o4e6ac97242d4a5e5688b5700fa952eee_61374067_210614_1.jpg

15分の転換を終えると、このツアーのホストであるSKY-HIの出番だ。「To The First」をSEに、スポットライトを浴びてステージど真ん中に登場すると「待たせたなFLYERS!(=SKY-HIのファンの愛称)」と叫んで一気にフロアの温度を上げて行く。輪郭のはっきりした歌声を武器に、時には床を蹴るようにステップを踏み、時には舞台の淵から前のめりになって歌う。感染対策のため声こそ出せないものの、力強く腕を掲げるお客さんの姿からも熱い想いがひしひしと伝わる。

スカイハイダンサー.jpg

スカイハイ汗.jpg

MCでは「いやーいいね。お会いできて嬉しいです、ありがとう!BMSG(自身が設立したマネジメント/レーベル)設立後の初めてのツアーで…ここまで長かった!」と喜びを噛みしめるSKY-HI。「自分がステージに立つ人だと証明できるのは皆が来てくれるからなので。一年半ぶりにステージに帰って来ました、よろしく!」と話し終えると、今度はダンサーを加えてのパフォーマンス。自分が持てる全てのものを惜しみなく出して楽しんでもらう、それが彼のスタイルなのだろう。ラップパート以外の歌唱力、踊りながらでもブレない歌声、親しみを感じさせる屈託のなさ、SKY-HIの多才ぶりには感服するばかりだ。

スカイハイ白黒.jpg

スカイハイダンサー2.jpg

そしてライブの後半に差し掛かると、SKY-HIは呂布を呼び込み「せっかくなんで、二人でフリースタイル…いっすか?」と、この日だけのコラボを披露!実際に呂布がMCバトルで歌ったことがあるというSKY-HIの「F-3」のトラックに乗せて繰り出されるリリック、滅多にお目にかかれない二人のフリースタイルに場内も大興奮だ。呂布を見送った後も、アッパーな楽曲群で高いボルテージのままツアー初日を締めくくったSKY-HI。他会場ではどんな不敵なステージが待ち構えているのか、要注目だ。

o4e6ac97242d4a5e5688b5700fa952eee_61374082_210614_6.jpg

スカイハイ指指す.jpg

インタビュー・文:青木美穂
写真:ハタサトシ
 




(6月17日更新)


Check

LIVE

SKY-HI presents「遊戯三昧」
@Zeep Nagoya
2021年6月13日(日)
開場 17:00/開演 18:00
GUEST:呂布カルマ